ドキドキする写真

ドキドキする写真

TVで女性のスケボー選手のことを取り上げた番組がありました。
11歳の時に日本一になり、ずっと女子のスケボーのトップを走り続けてきたのですが
ある世界大会で、同じ日本人の1歳下の選手にトップの座をとられてしまった、とのこと。

「同じ日本人の年下の選手にトップをとられてしまう緊張感に負けてしまった。
同じ日本人であることを意識してしまった」と、インタビューで答えていました。
そして「自分の弱さ、敵は自分の中にいることに気づいた。自分と闘わなくてはいけない」と話していました。

スポーツ選手やアーティストや、職種はわからないけれど「敵は自分」という言葉を最近よく耳にします。
弱さは自分の中にあること、その自分の弱さに向き合わなくてはいけない、ということ。と。

それこそオリンピックに出る選手はその種目の技術はもちろん、メンタルの部分でも本当に強いんだろうなと思います。
自分で心を管理してコントロールできるんだろうと。
「心を管理してコントロール」するのは「自分を客観的に、俯瞰してみること」と、何の本だったかな。
そんなフレーズを読んだ記憶があります。

先月、とても久しぶりに保育園の遠足の撮影をさせていただきました。
子供達が動く、先生方が遊びを仕掛ける、時間が決まっている、そして全部が「ノンフィクション」
このストーリーのない、短時間に撮り切らなくてはいけない撮影に右往左往しました。
カメラを抱えて歩き回ってチャンスを探す、という類の撮影の難しさを久しぶりに思い出しました。
全てが「ノンフィクション」ということ。ストーリーがない、リハーサルもない、という世界に
目が回るような感覚で、あっと言う間に時間が過ぎてしまいました。

昨日、これもまた久しぶりの婚礼の前撮り撮影をさせていただきました。
こちらは保育園の撮影とは逆です。
自分でストーリーやシチュエーションを作って、ゼロから組んでいかなくてはいけません。
1時間前に現場入りをして下見をしながら流れを考えてました。
「どうやったらドキドキするような写真をお渡しできるんだろうか?」と。
30分前くらいに、藤棚の下で悩み始めてしまいました。「一体この組み立てでOKなのだろうか?楽しめるだろうか?」と
悶々と悩み始め、それこそ逃げ出してしまいたいくらいに沈み始めてしまいました。

撮影の前、最中は、本当に余計なことを一切しないくらいに、余計なことはしないようにしてます。
試し撮りとかも嫌なくらいに、本番に力をぎゅっと備えておくようにしています。
おしゃべりもしない、スマホもみない、「一人の世界」

藤棚の下で悶々としながら、目の前に目一杯に咲いている菖蒲の花たちを眺めていて。
絶対にしない、撮影前にお花を撮るなんてことはほぼ100%することはしないのですが
昨日は約束の時間15分前に、やけくそになって「エイ!エイ!」と菖蒲の花をいくつか撮ってみたのです。
勢いで藤棚にぶらさがっている実とか空とかふらふらしてる猫とか。
「余計なこと」をたくさんしてしまいました。
撮影場所の案内図とかパンフレットとかも、ほとんどもらうことはないのですが
昨日は1部づつもらってカバンにしまってみたり。
(「余計なこと」をすることで不安を払拭していたんだろうな、と帰ってパンフレットを眺めて気付きました)

そうした「余計なこと」を15分ほど思う存分にやってみると
「なんだ、大丈夫だ。自分がドキドキと感激しながら撮っていれば大丈夫」と
解決したわけではないのですが、おそらく今日は「キラキラとした写真」が撮れるだろう、と心が戻ってきました。
新郎新婦様の笑顔にも、スタッフさんのお気遣いにも、晴れ上がったお天気にも恵まれて
「キラキラ光る」写真、撮って差し上げられたかな、と思います。

舞台はフィクションで、リハーサルがあって、そして私が何をしなくても「キラキラドキドキ」と
していますから。私はそれを忠実に素直に写真に残していくことが一番大事な仕事です。
何か自分で脚色したり細工したり、そんな必要もなく。
素直に受け止めて、そのままを残していけるように、と思っています。
でも撮影前のハラハラとしてしまう不安感は同じです。
1ベルが鳴るとじんわりと手に汗をかきます。幾度も設定を見直して目をつぶって耳も塞いで。
とっぷりとその世界に入れるように「余計なこと」をせず自分の世界にもぐっていくように。

シャッターを切り始めると何が何でも「ちゃんとなる」とわかっているのですが
何度やっても何年やっても「ドキドキハラハラ」は治りません。
でも「ドキドキハラハラ」とするから「ドキドキ」っとする写真が伝染していくんだ、と思って
覚悟して「ドキドキ」していこう、と思います。
心震えて気持ちを持って行かれた切ったシャッターは、後で見たときにきっとその時を思い返せるだろう、と。

実は「余計なこと」をするのは本当に嫌でした。
撮影前に余計に目を使いたくない、他のものを見ることはしたくない。
ましてシャッターを切るなんて、本当に嫌でした。
でも「余計だと思うこと」に心が救われることもあるんだな、と思ったりしました。
(でも本当に嫌だった!)

(日差しが入ればドキドキするかもしれない!と勘違いした余計な1枚)

(動きは速くないけど、動いてるものを追いかけて撮影前にそこに力を使うなんて本当に嫌だった!それが大好きな猫ちゃんでも!嫌でした。)

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