博士

「博士になりたい」と思っていた時期があって、やたら花の名前を暗記したり絵の具の色を覚えたり。
図鑑や辞書を夢中で読んでいたこともありました。
ひとつのことだけを続けて、他のことができなくても、その一つに卓越している姿を「素敵だ」と
思い、そこに憧れているのだと思います。

お世話になっている先生は「からだの博士」です。
たぶん24時間の間のほとんどの時間を「どうやったら怪我なく綺麗に踊れるようになるか」と
考えていて、レッスンにいくたびに「ココとココと、体のココと。。」と
とにかくその日の早い段階で、きちんと体を引き上げて最終的には体を仕上げる、というそれだけ。
そのことだけを考えられていて、その先生がおしゃれなレオタードを着たところは見たことがないくらい
ひたすらに「からだの博士」です。

私がその日に思う通りにできなかったりすると、これまた早い段階で、先生は切ない表情になります。
なので、先生を切なくさせないためにも、私も早くに体を引き上げたい!

先日の「ローザンヌ国際コンクール」での山本康介さんのコンテンポラリーの批評で
「彼は体のことをよく考えて動いてますよね。ここをこうしたら、ということがちゃんと考えられていて
その上で動いている。コントロールがされている」とお話をされていました。
こんなわかりやすい批評も本当に完璧。いつも本当的確で素敵だな、と惚れ惚れ。


からだの博士のもとで、昨日ようやくこのことが体に入ってきました。
この年齢ながらも筋力がついてきたので、ほ〜んの少し理想に近づきました。

なんの博士になれるのか、いつ博士になれるのか、はわからないのですが
今ひらすらにやっていることを続けていったら
いつか博士になれるかもしれないな、と、明日のリハ撮影も頑張ろう、と思うのです。


今年は春から「白鳥の湖」が多いです。
暑い夏になんて涼しけな白!

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hygge9246